一昨年の新型コロナによる影響や昨年度から実施されている新学習指導要領、これら2つの大きな影響で中学生を取り巻く環境が大きく様変わりしています。
現場で指導していて感じるのは、厳しい言い方になりますが、「基礎力不足」「受験生としての意識不足」、2つの不足です。
「基礎力不足」「受験生としての意識不足」が懸念される今年の受験生は、どういった夏休みを過ごすべきなのでしょうか。
6月~7月頃に部活を引退する子が多い中3生にとって、夏休みは「スタートの時期」。学習面で見ると「基礎固めの時期」に当たります。ここで注目したいのが、基礎力が不足している点です。
「基礎固め」を行う夏休みの過ごし方次第で、大きく伸びたり、ライバルに差がつけたりすることが可能。今年の中3生にとって、夏休みは他の子を出し抜くチャンスでもあるのです。逆に、基礎をうまく固められないと差を一気につけられるので注意です。
夏休み前になると、よく生徒や保護者の方から「苦手科目に集中すべき?」「得意科目を伸ばすべき?」との質問を受けます。多くの受験生を見てきた経験から言うと、夏はバランスよく基礎力を高めるのが一番。それ以上は+α程度に考えたほうがいいと思っています。
というのも「成績がいい子」といえども、この時期はまだまだ基礎に穴があります。そこを無視して進んでいってしまうと、後々必ず伸び悩みます。苦手をつぶす、得意を伸ばす前に、基礎に穴がないか丁寧にチェックし、そこを埋める学習をきちんとしたほうがいいでしょう。
一体どういう子が「伸びる子」なのでしょうか?夏休み、2学期にかけて大きく伸びる子には2つの特徴があります。
①規則正しい生活をしている子
成績が伸びる子は、決まって規則正しい生活をしています。休みだからといつまでも寝ていたり、日付が変わるまで起きていたりするようではNG。「午前中は前日の復習を行い、午後から塾の夏期講習」というような効率的で規則正しい生活がベストです。
②受験生としての自覚を持っている子
毎年、夏休みの時点で「自分は受験生だ」と自覚が持てている子は、大きく伸びていく傾向があります。授業を受ける態度を見ていても積極性が違います。
「とりあえず塾の夏期講習へ行き、言われたことをやっている」というような「やらされている」感が残ったままの子は、夏で大きく差がつけられるでしょう。
また、2学期以降の学校の成績でも差が出てきます。テストで同じ点数だとしても、授業態度や宿題の提出率のいい「受験生らしい行動ができている子」のほうが通知表の数字は上に。夏休みの早いうちに自覚を持てるかどうかが勝負の分かれ目と言ってもいいでしょう。
差をつける絶好の機会である夏休み。悔いのない夏になるよう、規則正しく・モチベーションを持って臨んでください。
基礎力なくして、応用力なし!