吹奏楽、土曜練習5時間も 中高の文化部

強制加入や長時間の練習など「ブラック化」が指摘される部活動。その適正化に向けて、スポーツ庁は3月、週2日以上の休養日設定など運動部活動の総合的な指針を示し、全国の教育委員会に通知した。文部科学省から「文化系部活も(指針に)準ずる」との文書も出た。だが、「休みがない」「体が持たない」といった生徒らの訴えが後を絶たないという現状がまだまだ多く残っている。 この部活問題は、生徒の視点、教師の視点、それぞれの立場で色んな問題が表面化して久しい。社会全体の部活に対する捉え方、風潮そして部活動のしくみの変革が求められているのだが、この社会的問題は意識の問題かつ根深いため、一朝一夕に変えられるモノではない。 今日は、長時間に及ぶ文化部の活動調査結果を紹介する。 文化部活動が盛んな中学校・高校を対象とした文化庁の抽出調査で、吹奏楽部の約5割が土曜日に5時間以上活動するなど、一部で練習が長時間に及んでいることが分かった。コンクール出場に向けた準備などが理由とみられる。  文化庁は、生徒や教員の負担軽減のため策定中の文化部活動に関する指針に、休養日や活動時間に関する目安を盛り込む方針だ。  目立った活動実績がある国公私立の中学・高校を抽出し8~9月にアンケートを実施。68校の359部から回答を得た。  学校が休みの土曜日に活動している部は、全体の約半数。吹奏楽部は27部のうち48.1%が、土曜の平均活動時間が5時間以上だった。演劇部(26部)は15.3%、美術・工芸部(31部)は9.7%、合唱部(17部)は5.9%で、吹奏楽部の割合の高さが目立った。  平日の活動状況を全体に尋ねたところ、毎日活動している部が28.1%と最も多く、1日だけが19.8%、2日間が18.4%と続いた。1日当たりの活動時間は1~2時間未満が52.6%と過半数を占め、2~3時間未満が30.9%、1時間未満は11.1%だった。  部活動を巡ってはスポーツ庁が今年3月に「週2日以上の休養」などを盛り込んだ運動部活動の指針を策定した。文化庁は、これを参考に「文化部版」の年内策定を目指している。