それは本当にケアレスミス?

それは本当にケアレスミス?ケアレスミスを防ぐ方法!

庄内中のみなさん、中間テストご苦労様でした。他校は中間テストがこれからですし、中3生は実力テストが残すところ1週間で始まります。テスト対策をしていて、感じていることを今日はお話ししたいと思います。

「ケアレスミスしちゃいました(てヘペロッ^^)」と、ミスしたのにもかかわらず、なぜか笑顔でケアレスミスを強調している。そのような言葉を発しなくとも、表情からうかがえる生徒が少なくない。ケアレスミスだから大丈夫と。

ケアレスミスと一言で片付けているけれど、よくよく見たらケアレスでもなんでもない、ただの理解不足ということがよくある。例えば計算間違いにしても、本当に計算の能力が高い子は、簡単に計算ミスなどしない。

計算ミスを連発する子というのは、実は分数の計算方法があやふやだったり、小数点の移動のクセがついていなかったり、符号の間違いだったり、文字の指数の間違いだったり、計算が苦手だったり・・・など、その背景に何かしら原因があることがほとんどだ。

数学や算数だけではない。英語であれば、時制、つまり現在形や過去形の間違い、主語が三人称単数の問題の間違い…。また他の科目でよくあるのが、記号で答える問題をそのまま答えてしまったりなどの問題文の読み間違い。これも、よくケアレスミスとあっさり切り捨てられる。日頃から注意深く問題文を読んでいないことが原因なのであって、その背景には結構根深いものがある。

つまり、ケアレスミスをする裏側には、必ず何かしら理由がある。それにも関わらず幾度となく同じ種類の問題のミスを繰り返し、内心「ケアレスミスだ。」の一言であっさり片付けてしまうという傾向があれば、その何かしらの要因を分析する機会を失っているということになる。これではケアレスミスはずっとなくならないし、学力も上がらない。

そのケアレスミスは防ぐことができる

人間誰しもミスをしてしまう生き物なので、完全にミスをしないということは不可能かもしれない。しかし、ミスの背景にある何かしらの理由に本人が気が付き、それに対して具体的に対策をしていくことである程度防ぐことができる。

ケアレスミスを本当に無くしたいのなら、最初の一歩は「ケアレスミス」という言葉を使わないことだし、そういう思いを決して持たないことだ。ミスをケアレスミスと一括りにしてしまっているから、その内容や原因まで見えてこない。見えてこないから、考えようともしない。「ケアレスミスを無くす」と何回反省ノートに書いたところで、永遠に無くならない。

ではどうすればよいのか?

英語の問題を解くときには、日本文であっても英文であっても文末表現や動詞に線を引きながら解いていく。数学では( )を外すときには、慎重にとか、色々ミスしない方法を指導している。いわば、正解につながる解法手順を教え、指導している。

こうしたことを何度も強調されているにもかかわらず、ミスしてしまう・・・指導された直後は正しく解けるようになっていたことを考えると、これは理解不足というより、むしろミスしたことを防ぐ意識が残念ながら極めて薄い、もしくは意識しながらの反復演習が不足しているからに他ならないと思う。

だから、ケアレスミスと安易に思わない。ミスを防ぐ方法を素直にとり入れ、同じ解法手順で解くことをまずは意識しながら反復を繰り返す。

ケアレスミスという言葉を封印し、ミスするごとに原因を分析し、その対策を考える。なぜミスをしたのか。どうすればそのミスを防げたのか、いちいち一問ごとに考える。それをやっていくと、次に同じようなミスをしやすい問題に出くわしたとき、ミスを回避しようとする意識がはたらく。意識がはたらくと、ほぼ同じようなミスをしなくなるのでケアレスミスは減っていく。もしくは、ケアレスミスの下に隠れていた根深い部分に気が付き、そこから再度知識や計算を構築し直すこともできる。