大学新テスト方針案公表

大学新テスト方針案公表

国語・数学、記述式で思考力問う、英語、民間移行、20年度にも。
文部科学省は16日、大学入試センター試験に代わって2020年度に始める新テスト「大学入学共通テスト(仮称)」の実施方針案と問題例を公表した。

国語と数学は記述式問題を3問ずつ出題。英語は20年度にも共通試験を廃止し、民間の検定・資格試験に移行する。「知識偏重」から脱し、思考力や表現力を測る入試への一歩とする。
 大学入試では1989年度のセンター試験開始以来、約30年ぶりの大きな改革となる。現在の中学3年生が高校3年になる21年1月に初回を実施。英語以外は大学入試センターが作問する。名称はこれまでの「大学入学希望者学力評価テスト」から変えた。
 英語は実用英語技能検定(英検)、TOEICなどの中から文科省が認定する試験に20年度から全面移行するA案と、23年度までは共通テストと民間試験の両方またはどちらかを受けるB案を示した。意見公募などを経て両案のどちらかに絞り、6月中に実施方針を作成する。民間試験は高3の4~12月に2回まで受験でき、成績は国際標準に基づき段階別に示す。
 現在のセンター試験は全問がマーク式だが、記述式問題を導入する。国語の問題例は景観保全に関する自治体の広報文を題材に意見を最大120字で書かせる。数学は三角比を用いて広場の銅像の高さなどを考察させる。
 新テストは入試と高校、大学の教育を一体で変える高大接続改革の柱。当初目指した年複数回の実施や記述式問題を導入する教科の拡大などは24年度以降の実施を改めて検討する。
概要
 ○名称は「大学入学共通テスト(仮称)」 
 ○マーク式に加え、国語と数学I・IAで記述式を導入 
 ○現在の中学3年生から対象に 
国語
 ○記述は最大120字など3問程度。公文書、統計資料、会議記録などを素材に出題 
 ○試験時間を20分延長し、マーク式と合わせて100分に 
数学
 ○記述は3問程度。試験時間を10分延長し70分に 
英語
 ○20年度または24年度に民間の検定・資格試験に完全移行 
 ○高3の4~12月に最大2回まで受験可能 
 ○成績は点数と6種類の段階別の2通りで示す