「学校」というところ

コロナ禍をきっかけに、いろいろな分野で「オンライン○○」を耳に為るようになりました。教育分野においても「オンライン学習」がクローズアップされています。

当塾では、3月中にオンライン学習の準備を終え、生徒達にもオンライン授業を実際に体験してもらいました。幸い、オンライン学習は今のところ行ってはおりません。

個人的には今後オンライン学習を国を挙げて推進していってほしいのですが、そう言うと「学校は必要ない」といった意見に思われるかもしれません。
「オンライン学習などを利用して自分で勝手に学べばいいのだから、学校は必要ない」という方もいますが、少し極端な意見かと思います。

最も「数学とか英語などの学力を上げるだけ」であれば、学校は必要ないかもしれません。
(特に公立の)学校で行われる授業では、様々な学力の生徒が混在しています。

「小学校の内容で躓いている生徒」も「学校の授業が簡単すぎる生徒」も「やる気のある生徒・無い生徒」も一緒くたに教室にいます。
そうすると学校の授業はどうなるかと言うと「出来るだけ多くの生徒に役に立つ内容になるように、中間層向けの授業をゆっくり目に」という内容になりがちです。

私立ではもう少し上位層に合わせる傾向がありますが、教室にいる全ての生徒一人一人に最適な授業を行うことはまず不可能です。

(まともな)塾へ行けば各々に合った難易度の授業をしてくれるので「学校より分かりやすい」ということはある意味当たり前です。

「テストでいい点を取る」とか「志望校に合格する」とか、そういった目的だけなら学校は必ずしも必要ではないと言えます。

「じゃぁ、学校いらないじゃん。」という声がまた聞こえてきそうですが、私はいると思います。

「学校」は様々な人と出会い、つながりを持つ場として必要なのです。

勉強が得意な人、運動が得意な人、明るい人、面白い人、真面目な人、気の合う人、気に入らない人。

自分とは違う様々な人と触れ合うなかで、社会において最も大切な「人と人とのつながり」を学ぶことが出来るのが、学校の大きな存在意義だと思います。

※学校が合わないって人の考えもあってしかるべきですよ。

もちろん、非常に意志が強く、やりたいことが決まっていて一人でも頑張れる、という人はいるかもしれません。ですが、極々少数です。

ほとんどの人は「自分」というものについて、学校生活を通じて考える機会を持てると思っています。